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- 「育児放棄」とは?ネグレクトに気づくサインと親子を守るためにできること
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ママのゆりかごコラム
ひとりじゃない、子育てのヒントがここにある
「泣いていても誰もあやしてくれない」「学校に行っていないのに誰も気づかない」――そんな子どもたちが、すぐそばにいるかもしれません。「育児放棄(ネグレクト)」は、虐待の一種でありながら、親自身が気づかずに陥ってしまうこともある、深刻な社会課題です。本記事では、育児放棄の種類・サイン・支援方法について、親子を守る視点から丁寧に解説します。
「育児放棄(ネグレクト)」とは、子どもが本来受けるべき世話や保護、教育、医療などが意図的または無意識のうちに与えられない状態を指します。食事を与えない、病院に連れていかない、長時間放置するなどの行為が代表的です。これは虐待の一種ですが、親が“悪意なく”疲弊や孤立から陥ってしまうケースも多く存在します。
これらが複合的に重なることもあり、外から見えづらいため発見が遅れる傾向があります。
子どもは自分から「助けて」と言えない場合が多く、周囲の大人の気づきが命綱になります。
育児放棄は「してあげるべきことをしない」消極的な虐待とされ、暴力を伴う「積極的な虐待」とは異なります。しかし、子どもの成長や命に深刻な影響を及ぼす点で共通しており、同じく早期の介入と支援が必要です。
これらのサインが続いているなら、育児疲れ・産後うつ・孤立が進行している可能性があります。
ネグレクトを受けている子どもを守ると同時に、その親もまた支援の対象です。「どうしてできないの?」ではなく「何がつらいのか?」と周囲が声をかけることが、連鎖を断ち切る第一歩となります。
「育児がつらい」「もう無理」と感じたら、早めにSOSを出すことは親の責任ではなく“勇気ある行動”です。
ある30代の母親は、産後うつと経済的困窮から子どもの世話ができなくなりました。近所の保健師が気づいて支援につなげたことで、母親はカウンセリングと就労支援を受け、再び親子で暮らせるようになりました。このように、誰かが気づき、手を差し伸べることで人生は大きく変わるのです。
・子どもが可愛いと思えない
・毎日イライラが止まらない
・夜眠れず、孤独感が強い
これらはすべて「支援が必要なサイン」です。病気ではなく、「休息と手助け」が必要な状況なのです。
育児放棄は、特別な誰かが起こすものではなく、誰にでも起こり得る現象です。親の「助けて」が言いやすい社会をつくることが、子どもの命を守る最も確実な方法です。
周囲の目と支え、そしてあなたの「つながろうとする一歩」が、未来を変える力になります。